スタッフブログ
先日、
パッシブハウス・ジャパンの全国大会に参加してきました。
全国の超高気密・高断熱住宅に取り組む、先輩設計者たちに刺激をいただいてきました。
2日目は、超マニアック勉強会に参加してきました。
パッシブハウスは、熱が建物から逃げてしまう細かい部分(熱橋:ヒートブリッジ)の
解析を研究しています。
この部分は、日本の断熱基準では、網羅されていないため、
どの施工方法の方が、より断熱性能が効果的に発揮できるのか、
というところまで、検証が追い付いていないのが現状です。
ドイツ基準のパッシブハウスを実現するためには、
この部分の解析を実証することが求められてきます。
いままでは、一部のコンサルトしかこの部分の検証ができなかったのですが、
今回、解析手法の一部を勉強会で教えていただけることになったので、
勉強会に参加してきました。
めちゃくちゃマニアックな部分なのですが、
虹色にカラーリングされるように、
各こまかい部分の、断熱材の施工方法がどのようになるのが適切か、を
パソコンの解析プログラムを使って、
熱が逃げにくい方法を検証していきます。
大まかには、「こうしたほうが良い」という基本ラインはあるのですが、
どうしても、現場で困ったり、悩む部分があるので、
よりよい施工方法を検討するためには、
必要な技術だと思います。
今回は、その部分を重点的に教えていただきました。
まだまだ、実務に使うには練習が必要ですが、
これを扱えると、より良い施工方法を自分で導いていくことができます。
頑張ります。
熱橋(ヒートブリッジ)を検証する理由
なぜ、ここまで細かいことを確認するのか?
それは、2つ理由があります。
① 断熱施工が弱い箇所を明確に把握するため
断熱材の施工をしている箇所で、
断熱材を施工しているからと言って、均一に効果があるわけではないのです。
実は、温度は、
断熱性能の低い箇所から優先的に熱が伝わる(逃げるため)ため、
どこが、一番熱が伝わり(逃げやすい)やすいかを把握することは、
室内の温度を保温するために、重要なポイントになります。
ここの精度を高めることが、
「暖かい」を確実に担保しっつ、結露などを防止することにつながり、
建物の長期耐久性能を高めることにつながるのです。
② どの位置に断熱材を入れることが望ましいのかを感覚に頼らない
経験則も、もちろん重要になりますが、
それだけに頼らないで、実際にシミュレーションをしてみることがこれからは重要。
熱橋を検討することで、どの位置に断熱材を入れるのが効果的かを探っていくことができます。
耐震も断熱性能もシミュレーションや計算を用いて安全性を高めていきます。
同時に、断熱性能の精度を高めるために、
実際に、比較したり、検証することで、
どの方法が望ましいのかを検討するために研究をする。
これからは、さらに設計をブラッシュアップしていきたいと思います。