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日本国内において、
地域ごとに耐震性に対する割り増し・割引係数があるってご存知ですか?
ざっくりではありますが、地域ごとに分類するとこんな感じになります。
(色のついていないところは、地域係数=0.9)
(正確には、各県の県庁HPなどにてご確認ください。)
長野県は、県庁のHPにも掲載がありますが、
地震地域係数は、Z=1.0としています。
(長野県 県庁HPより参照:https://www.pref.nagano.lg.jp/kenchiku/infra/kensetsu/kakunin/kijunchi.html)
つまり、地域ごとに地震が標準的に起こりうる地域か、比較的少ない地域なのか?を
政府が分類し、定めています。
比較的少ない地域(沖縄など)となれば、
長野県に比べ、耐震性の強度が70%で良いとされていることになります。
建築士は、この表を基準に、各地域での耐震性の必要度合いを検討していきます。
日経ホームビルダーで、興味深い記事が掲載されていました。
(出典:日経ホームビルダーさん:http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00251/040600005/)
(出典:静岡県 HPhttp://www.pref.shizuoka.jp/kenmin/km-320/kensasitu/joureikaisei.html)
静岡県では、行政がこの「地域係数」を1.0から1.2へと引き上げることを義務化に向けて動いたということです。
静岡県、県条例にて対応しているということが興味深いです。
地震が起こりうるという地域では、法律基準のみで考えるのではなく、
法律基準よりも少し上を目指すことが大切になります。
ある意味で、
管轄圏内を、現場レベルでしっかりと対策する方針を打ち出すことは素晴らしいと思います。
長野県も、地震を起こすであろう断層線が縦横断している地域になります。
東海圏の、南海トラフ自身も不安ですが、
長野県内も、地震に対する耐震性にシビアになるべきだと思います。
「地震 地域係数」 で検索すると、地域係数の大切さを記述した記事がたくさん出てきます。
ちなみに、
地域係数が1.0から 1.2 に引き上げたとしても、
設計上の耐震性能が、耐震等級1(法律ギリギリ レベル)であれば、
長期優良住宅の 耐震等級2(耐震等級1x1.25)よりも性能は低いことになります。
耐震等級3(耐震等級1x1.5)ならば、クリアできることになります。
よって、この観点から見ても、
耐震性能を考えていくときに、耐震等級3は本当の最低ラインといえるでしょう。
耐震等級1=法律ギリギリレベル (法律上、最低限クリアすべき条件)
耐震等級3=現場レベルで考えたときに、本当の最低ライン
過度に性能を向上させることは、
建築主にとって、経済的不利益が生じてしまいますが、
建築主が、想いを込めて建築する住宅に対して、
しっかりとした構造計算提案して、将来にわたる安心を確保することが大切です。
新築後に、小さくても地震に見舞われた建物は、
少なからず損傷します。
法律ギリギリレベルの建物であった場合、損傷したことにより、
法律ギリギリレベルを下回るリスクもあるので。
耐震・制振・免震など、
耐震性能工法について、もう少し知りたい方は、コチラ→ 【 暮らしのコラム 】