スタッフブログ
先日、松本市岡田下岡田の家Ⅱにて金物検査を行いました。
自主検査を行ったのち、
第三者の構造検査を行いました。
木造の接合部を固定するために、
金物が設置されます。
筋違部分も、
東日本大震災や熊本地震の考察を調べていくと、
筋違の接合部分が、断裂してしまう現象もあったようです。
筋違の端部を強く固定しすぎると、
木材が引き裂かれてしまうようです。
筋違の固定用の金物を、クッション性のある金物で固定することで、
木材がビスなどで引き裂かれないように金物の選択を工夫します。
採用している金物が、金属であっても、地震の時に追従性がある固定金物を採用することで、
木材がビスや釘に負けないように金物を組み合わせます。
この辺は、どの会社さんでも行われているのではなく、
設計者の判断になります。
耐震性能を高く担保したい場合は、
検討されている建設会社の担当者に、
「筋違の固定金物は、熊本地震などの震災を経てどのように工夫されていますか?」
「固定金物は、国の基準に加えて、どのような工夫をされていますか?」
といった、質問をしてみると良いかもしれません。
また、
外壁部分でも、工事を進めていくと見えなくなってしまう部分があります。
窓の設置部分と、防水の施工順序が適切かどうか。
(雨漏れの大部分は、屋根廻りと窓廻りによります)
屋根の裏側に湿気がこもらないように通気スペースがきちんと確保されているか。
ここも、しっかりと確認していきます。
耐震性の外壁用耐力パネルもしっかりと施工確認が大切です。
ダイライトは、
・釘のピッチ(間隔)、めり込みがないか。
・ダイライト同士の上下の隙間の確保(約10mm)が確保されているか。
などなど、確認する箇所をしっかりとチェックしていきます。
見えなくなってしまう部分を、
建て主の代わりにしっかりとチェックし、記録保存する。
これが設計事務所の大きな役割になります。
施工任せにしない。
現場任せにしない。
見えなくなる部分をしっかりとチェックすることで、
「設計した性能をしっかりと発揮できるようにする。」
これが大切です。
図面や机上で計画したものを、しっかりと現実に性能が担保できるようにする。
これが「現場を監理する」ということです。
引き続きしっかりと監理していきます。
こちらのお住まいは、
外壁の下地ができれば、いよいよ断熱材の施工になります。
断熱材の施工が完了すれば、気密測定を行います。
気密測定が完了したところで、
建築途中の現場見学会を開催予定です。
6月頃を予定させていただきます。