暮らしのコラム
温かい・暖かい住まいをイメージするときに、
「暖かくするための断熱材をしっかりと選ばなくては」・・・。
と思われる方もいらっしゃると思います。
もちろん、間違っていません。
正しいポイントをしっかりとおさえていただいています。
しかし、
「どんな断熱材を採用すべきですか?」
「やはり高性能な断熱材を採用すべきですか??」といったご質問をお受けいたしますが、
温かい・暖かい住まいを検討されるには、
もうひとつ大切な質問を飛ばしてしまっています。
それは、
「どこから断熱に予算(コスト)をかけていくべきですか?」
ということ。
住宅建築は、バランスが大切です。
性能、コスト(予算)、間取り、デザインといった様々な想いがある中で、
一番理想的なコーディネートが求められます。
つまるところ、一つの材料ですべてが解決するような魔法な部材は無いのです。
予算(コスト)を一番効率よく投資できるように考えることが求められます。
△△△(材料)に〇〇万円(予算)かけたとしても、
ランニングコスト(月々光熱費)が▲▲万円(実質)になるから、
差しひきで、●●ヶ月(損益分岐点)で元が取れそうだ・・・。
こういったことを一緒に考えてくれることが大切だと思います。
(割と、ハウスメーカーや、工務店は仕様が決まっているのでなかなか融通が利かない様です)
(対して、設計事務所は小回りの利くので、材料や仕様の変更が容易です)
世の中に、あふれている建築の材料から住まいての想いに沿える材料を説明して、
理解を求めながら、一緒にバランス(損益分岐点)を共有していくことも大切と思います。
今日は、その一部として、
「どこから断熱にコストをかけていくべきか。」の一例をお話いたします。
再度、登場しますが、こちらの写真は、
外に面した窓をサーモカメラで撮影したもの。
中心に「20.0℃」の記載があります。
(若干、撮影者の熱線が反射していますが)
窓のガラス部分が「20.0℃」という測定データになります。
サーモカメラなので、青色に近づくと温度が下がります。
サーモカメラのもとの写真は、
↓下の写真になります。
この時の外気温は、12月で、6.0℃です。
室内の壁の部分は、赤色を示しているので 20.0℃より高い温度であることが分かります。
対して、窓の部分は、20.0℃よりも低いことがうかがえます。
(左上の青色の塊は、新鮮空気を取り込む給気口)
ここで知っていただきたいのが、壁に比べて、窓は外の熱を伝えやすいということ。です。
(細かい、理論的な説明もありますが、(Ua値等)ここでは省略します。)
(詳しくお聞きになりたい方は、事務所でしっかりとご説明いたします。)
建物全体で考えると、実は
室内の熱の出入りは、窓からの出入りが約50%を占めているのです。
対して、壁は約15~20%程度。
すなわち、熱の出入りの差は、2倍以上窓の方が多く出入りするのです。
2倍以上、、、、
そう聞くと、すごく差がありますよね。
おなじ10万円を、断熱強化に投資するとしたら、
窓の方が2倍効果的ということです。
この熱が逃げやすい(入りやすい)窓は、
実は、一番最初に断熱強化することが必須となります。
窓の性能をしっかりと確保したうえで、
その次に、断熱材を何にしようか。
という順番で考えていくことで、保温性の高い住まいができます。
皆さんも、ぜひ窓の性能に着目してみてください。
次回は、窓の性能について詳しく書きたいと思います。