暮らしのコラム

光熱費を下げる、、、、

電力の高騰、原油の高騰に伴い、しっかりと検討しておきたいところです。

 

松本・安曇野・塩尻・岡谷・茅野・諏訪・東御・上田周辺に特化してのコラムになります。

信州で家づくりをご検討中の方にご参考いただける内容になります。

新築もリフォームも参考になる内容になっております。

  

家族が増えてきたり、

賃貸の光熱費にうんざりしてしまったり、、、

それであれば、新しく家を建てたい。

リフォームで今よりも快適な住まいにしたい。

というお気持ちがあると思います。

 

そんな中で、

何回かのシリーズに分けて、光熱費を下げるために、

「家づくりをスタートする前に」考えておきたいこと、

知っておきたいことをお伝えしたいと思います。

 

ガス代を節約する方法

まずは、ガス代。

賃貸においては、ガス代は異常な金額を示す時があります。

特に、冬場のガス代が半端なく高い!!

ということがあると思います。

 

これは、実は理由があります。

 

① 賃貸のガス単価が、そもそも相場より高い という事実

 これは、実は建築会社でも知らない、という会社が多いと思います。

 検討されている建築会社さんに、

 「ガス単価を下げるためにできる事はありますか?」

 という質問をしてみましょう。

 

ガスコンロでもガス代を抑えて利用することが大切

 

 この質問をして、しっかりとしたガス単価を下げる回答が出てくると、

 ガス単価を下げるためのノウハウがある会社になります。

  

 英設計でも、ガス単価を賃貸相場の約半分近くまで下げるための工夫をしています。

 ちなみに、一社匿名でこの会社と提携しているから安いです。

 ということではありません。

 

 ここでは詳しくは書けませんが、

 家づくりの中で、ガスを採用したい方は、ここも注意しておくことが重要です。

 

 ガス代を下げたい方は、ぜひご相談いただけましたら幸いです。

 ちなみに、リフォームでもガス代を下げられた実績もあります。

 新築計画はもちろん、リフォームでも、ガス代を下げる提案を標準的に行っています。

  

 高気密・高断熱の計画をやみくもにすればよい、ということではなく、

 どんな設備を、どうゆうルートで、どうやって導入するか、

 ということも、設計事務所の提案の一つになります。

 

 大量購入、大量仕入れで安くすることだけが、手法の一つではありません。

 培ってきた技術や経験をもとに建築計画のご提案をさせていただいています。

 

  

②太陽熱温水器 を取り入れる

 ガス代を下げるにあたって、

 信州の場合は、年間のエネルギーのうち、

 1/3が給湯エネルギーに利用されています。

 (冷暖房費は、全体の約半分)

 

建物燃費ナビ 参考画面

 

 ガス代を下げたい場合は、

 給湯エネルギー、つまりお湯を沸かすエネルギーを抑えることが必要です。

 

 ここでおすすめなのが、太陽熱温水器。

 英設計で積極的に取り入れいますが、

 きちんと太陽の日にあたれば、夏場はガス給湯器が動く時間を減らすことが可能です。

 

 相性としては、ガス給湯器との相性が良いのですが、

 エコキュートとも設計の仕方では、効果的に利用することもできます。

 

太陽熱温水器を設置している実例

ざっくりなのですが、

地域的な一般建物スペック(ZEH程度 Ua=0.5クラス)で検討したとして

年間の光熱費が約35万円くらい(冷暖房費と、給湯費用)になります。

(高気密高断熱化が進むと、冷暖房費が下がりますが、ガス代はあまり下がりません)

(そのため、一般的な断熱性能で説明します)

 

そのうちの1/3となると、

35万円のうち、¥116,666円程度が、年間の給湯費用にあたります。

 

ざっくりですが、給湯エネルギー ¥116,666円が、太陽熱温水器を導入すると削減されます。

 

メーカーでは、半分減らせる、というメーカーの表現もあったりしますが、

実際には、太陽の当たり具合によって変化するので、

一概に、50%下がる、ということでもなさそうです。

 

不利側で見て、30%削減できるとなると、

¥116,666円の30%off となると、

年間約、¥35,000-円 給湯エネルギーが最低でも削減できるようになりそうです。

施工と設計の方法次第では、夏場は、ガス給湯器を電源オフにすることもでき、

一切、ガス給湯器を点火することなく利用することも可能です。

(これは、太陽熱温水器を導入するならば、設計すべきです)

  

太陽熱温水器のイニシャルの費用も重要ですが、

今後、ガス単価が電気代同様に高騰していくとなると仮定すると、

節約幅が向上していきますので、導入する意味が十分にあるといえます。

 

 

もちろん、これをエコキュートにして、

太陽光パネルと連携して、ということでも光熱費が下がります。

 

ガスがお好み、という方には、太陽熱温水器もオススメです。

 

建物の間取りや断熱・気密性能も重要ですが、

どういった設備を取り入れて、

それがどのように効果的に機能するのか、まで設計するのが大切かと思います。

 

実際に、太陽熱温水器を導入している物件のアフターでお伺いしたときに

64度で給湯できていました。

自然のエネルギーで、無料(タダ)で64度のお湯を確保しています。

↓ ↓

  

 

電気代を下げるにはどうするか

では、

電気代を下げるためには、どういったことがあげられるでしょうか。

考えてみましょう。

  

①窓サッシ、壁、の順番で高断熱化・高気密化を図る

松尾設計室の松尾先生は、窓の性能を向上させることを最優先に、

ということをお話されていますが、

これは、そもそもの窓の断熱性能が低い場合が該当します。

 

樹脂サッシを採用して、アルゴンガス入りの窓サッシを採用している場合、

必ずしも、窓の断熱性能の向上が優先にならない場合があります。

 

その理由としては、

窓の大きさが、外壁の面積に比べて少ない

という点があります。

 

比率で考えたときに、外壁の面積が大きく、

断熱性能を上げるときに、窓サッシを小さくしたり、数を減らしたり、

ということがあるので、

その場合には、外壁の面積から熱が逃げていくことが

比率として多くなる場合があります。

 

そうなると、窓の断熱性能がペアガラス、アルゴンガス入りまで来ていると、

外壁の断熱性能を向上させることも候補にすることもあります。

 

窓の熱ロスも重要視していかなければなりませんが、

外壁の柱の熱狂部分も注意してみていく必要があります。

 

そのためには、

外壁の付加断熱の施工も重要になってきます。

EPSで外壁付加断熱をする

 

 

外壁の高断熱化をすることで、

光熱費が下がる、というよりは、

「建物内部の保温力が向上する」=快適性が向上する

という、表現が適切かと思います。

 

それによって、

100円均一の水筒なのか、

サーモスの水筒なのか、ということで、

内部の温度の保温力が変わり、

改めて、暖める、冷やすというエネルギーを追加することが減り、

結果的に、光熱費が下がっていく、

ということになります。

 

しかし、

圧倒的な気密が無いと、効果は全く異なるものになります。

 

ひびの入った、サーモスの水筒があったとしたら、

内部の保温力が劇的に下がってしまうでしょう。

 

  

②太陽光パネルを搭載すること

実質的に、光熱費を下げるということになると、

やはり、太陽光パネルを搭載することが必要になります。

 

高気密・高断熱を進めていくと、

太陽光パネルとの相性がとてもよくなっていきます。

 

理由としては、

高気密、高断熱が進むと、

冷暖房効率が良くなり、少ないエネルギーで室内の温度が快適になっていきます。

 

それによって、太陽光パネルの発電の中で、

冷暖房を動かすことができ、

太陽光パネルの発電しているエネルギーを使い切るのではなく、

残った太陽光発電部分を売電していくことができます。

 

上記の写真は、

6月で、完成見学会の状態(家電の無い状態)ですが、

少々暑く、エアコンを回してみました。

 

曇天で、発電があまりできていない(1.4kw)ですが、

室内で、エアコンを利用してみました。

1台エアコン稼働していますが、0.3kwの消費となりました。

 

現在の家電類は、LEDを利用したり、省エネ家電になってきているので、

テレビを見ていたとしても、

待機電力をふくめて、だいたい、0.3kwが常時消費電力になると思います。

 

それを含めたとしても、

合計で、0.6kwの消費になるので、

1.4kwを発電していたとしても、半分くらいの消費しか行っていません。

 

エアコンを利用しつつも、売電を確保することができるので、

高気密高断熱であれば、効果的に光熱費を下げることができます。

 

ちなみに、この建物は、

Ua値=0.4 の 気密性能C値=0.2 になります。

 

ほかの設計実例でも、

こちらは、7月でかなり暑い日でした。

エアコンは、少し一生懸命に動いていましたが、

0.6kw。 つまり600Wの消費。

 

これに、家電の待機電力を足しても、0.9kw。

しっかりと、売電に転嫁することができます。

 

どちらの物件も、

太陽光パネルは5.5kw程度の搭載になります。

ドラム式洗濯機の消費エネルギーがどのくらいの消費電力なのかを調べてみました。

 

③エアコンの台数を絞ること、エアコンの能力設計をすること

 開放的な間取りにしつつ、ポイントは吹き抜けを設ける事

 開放的な間取りにしつつ、ポイントは吹き抜けを設ける事

 これは、

 「えっ?! 吹き抜けって、寒くなるんじゃないの?」

 と思われがちですが、

 高気密高断熱が出来ている住宅ですと、

 逆に吹き抜けがある方が、室内の温度が均一になりやすいです。

吹き抜けを設計したリビングの実例

 

2階にエアコンを設けることで、

2階のホールから冷房を吹き下ろすことで快適な室内空間にすることができます。

おおよそ、

1階に1台、2階に1台の合計2台で、冷暖房運転が可能です。

 

その際に、重要なのが、

エアコン本体の能力の選定と、機種選びです。

 

なにも、30坪の住宅だからといって、

20畳用のエアコンを選定しなければならない、ということはありません。

 

基本的には、14畳用のエアコンで充分です。

(断熱設計をしてから、きちんとエアコンの能力選定計算を行います)

 

また、

2階のエアコンは、冷房メインであれば、

能力調整をすることで、エアコンのコストを少し下げることも可能です。

 

たまに、

エアコンの機種については、家電量販店でお客様にて選んでください。

というお話を聞くこともありますが、

英設計では、機種の選定までご提案させていただきます。

 

持ち込みのエアコンを利用できるとしたら、

2階の冷房メインのエアコンを持ち込みしたものにさせていただきます。

 

理由としては、

エアコンは、実は家電量販店にて売られているものは、

若干、建築設計で利用するエアコンと能力や機能が異なります。

家電量販店独自にカスタマイズされているケースがあるので、

欲しい能力と性能が無かったりする場合があります。

 

あとは、

残念ながら、設置の技術力が建築業者が手配する業者さんにくらべると、

少し、荒っぽい、というのが欠点かと思います。

 

上記の理由から、

当社としては、エアコンの能力の選定、取付まで

責任をもって設計させていただくようにしています。

 

もちろん、持ち込みやどうしても家電量販店で購入したい、

という方には、リスクを含めてご説明の上、

家電量販電品番での機種選定も行っています。

 

 

④住まいの広さをコンパクトに設計する

 建物の広さも、光熱費を下げるためには重要な要素です。

 小さすぎて使いにくい設計はダメですが、

 コンパクトにまとめることで、室内の暖房面積(容量・気積)が小さくなり、

 室内の温度を上げたり、下げたりするためのエネルギー量が減ります。

 

 したがって、

 間取りを効率的に設計して、面積を減らして、

 なるべく一つの空間になるように、

 効果的に下がり壁を無くしたりすることもオススメの方法です。

 

下がり壁をなるべくなくした実例

 

⑤窓からの日射取得熱をたくさん確保する

最後に挙げている部分が、実は効果が一番大きいのですが、

建物をきちんと南に向けて建築して、南側に窓を大きくとる。

南にサッシを多くするが、庇をつけて日射遮蔽する

 

シャッターのある南側の大きな窓

これが冬場の光熱費を下げることに非常に有効に機能します。

しかし、

夏場の日射遮蔽が出来ずになってしまうと、

とても、暑い室内へとオーバーヒートを起こしてしまいます。

夏場の日射遮蔽を考慮すると、シャッターが一番おススメですが、

安価なコストのシャッターもありますが、金額との相談になります。

 

太陽の陽ざしは、冬場に特に効果を発揮しますが、

太陽の陽ざしが床面をしっかりと暖めてくれます。

このときに、床材は無垢の床材であることがおすすめです。

 

太陽の陽ざしが、1600x2000程度の引違サッシにしっかりと差し込むと、

約600wの暖房エネルギーをもたらしてくれます。

 

これが、だいたいコタツ1台分くらいの熱量。

 

南側に、1600x2000のサイズの窓が並んでいくと、

それぞれの窓に、コタツが立て掛けられているのと同じ条件になります。

 

そうすると、

高気密・高断熱がしっかりと実現していると、

窓の周りが逆にポカポカしてきて、暖かくなります。 

 

しかし、気密が悪い建物になると、

窓辺で、ポカポカした上昇気流が生まれ、

気密の悪いところから、外部の冷気を引き込んできます。

 

気密をしっかりと確保していくことがとても重要になります。

 

英設計では、

気密の体験をしていただくために、

建築途中の「断熱構造見学会」を行っています。

 

実際の気密で気を付けるべきポイントが、確認できます。

「英設計 断熱見学会」で検索いただくか、

当社の「イベント情報」の中で、確認することができます。

https://www.hanabusa-sekkei.jp/event/

 

まとめ

こうやって書いてみると、

・吹き抜けをつくる

・窓を大きくとる

という要素は、一見、「寒いんじゃないの?!」と思われがちな要素にも見えます。

 

ですが、高気密・高断熱を進めていくと、

実はこの要素がとても重要であることに気づきます。

 

やみくもに、吹き抜けをつくって、窓を大きくしてしまい、

高気密・高断熱(特に気密は、C値 0.4以下は絶対確保)がおろそかになってしまうと、

激寒ハウスの完成になってしまいます。

 

ファッション(格好良さ)としてではなく、

きちんと、温熱の効果に基づいて設計をして、

効果を確かめていくことが重要です。

 

わかりやすく、家づくりを検討されている方が、

知りたい情報を説明させていただきたながら、

建築士、設計士として家づくりの先導をしながら、

コストを考えつつ、より良い品質へと提案していきたいと思います。

 

家づくりの中で、

ガスを採用するか、オール電化で行くか、ということも

大きな分岐点になりますが、

ガスを採用することは決してNGではないと思います。

それに対して必要な設備や設計をして、

リスクや、メリット、デメリットをしっかりとお施主様と設計者が共有しながら

進めていくことが大切だと思います。

 

英設計では、経験や採用してきた実例から、

メリット、デメリットの両面を説明させていただきながら、

打合せを進めていきます。

 


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【平屋】断熱構造見学会(松本市)