暮らしのコラム
光熱費を抑えられる暮らしを目指したい。
そう希望される方が多くいらっしゃると思います。
けれど、
意外と、断熱性能だけに目が行きがちですが、
断熱性能を語るうえで、そのまえに気密性能がきちんと担保されていないと
効果が減ってしまいます。
いくら断熱したとしても、隙間風の多い断熱になってしまうと、
思ったほどに効果が出ない。。なんてことも?!
結構、気密性能をしっかりと確保して、断熱性能を向上させることが
基本になります。
そのためには、ぜひ、工事中の気密測定と気密欠損の確認をお勧めします。
工事中に、気密もれが分かれば、手当てができます。
「図面通りの標準仕様ですから。大丈夫です。」
「全国一律同じ基準ですから、大丈夫です。」ということではなく、
カタログや、基本標準ではなく、
気密性能は、現場の施工精度の尺度としてもとらえることができます。
しっかりとした気密が確保できれば、
より良い断熱性能が発揮されます。
また、気密性能は、「C値(シーチ)」を読み取ることになりますが、
実は、C値以外にも、見るべき指標があります。
(あまり知らない方多いようですが・・・。)
同じ、C値=0.2であったとしても、
細かくみてみると知っておくべきポイントがあります。
それは、
住まいの構造が、「床断熱」なのか、「基礎断熱」なのか、
という注意が必要です。
基本的には、基礎断熱の方が、C値の性能が良くなりがちです。
床下の基礎空間も室内の体積としてみなすことができるため、
床断熱工法よりも、基礎断熱工法の方が無条件でよくなります。
仮に、
同じ建物で延べ床面積が、103㎥(立米)として、
1階に、床下空間、50㎡x50cm(床下空間0.5m)=25㎥(立米)の
体積が基礎断熱工法の場合は、無条件で追加されます。
基礎断熱工法の場合は、この体積が延べ床面積に変換されて加算されます。
これを天井高さ2.6mで割り戻します。
すると、9.615㎡(平米)分面積の大きい住宅となります。
建物全体の隙間が、26cm2(平方センチ)であったとすると、
26cm2 ÷ 103㎥(立米)=0.252(C値)→ 0.3(四捨五入)
となります、
これが、基礎断熱となると、
基準床面積が、103㎥+9.6㎥となり、112.6㎥となります。
C値を計算すると、
26cm2 ÷ 112.6㎥(立米)=0.23(C値)→ 0.2(四捨五入)
建物の隙間が同じであっても、
体積が多くなる基礎断熱工法の場合は、
C値が良くなることになります。
上記の略算でも、0.1数値が上昇します。
基礎断熱ではなく、床上断熱工法でありつつ、
建物の体積が少ない条件で、気密が高い。
ということが、冷暖房を効率的に効かせるために必要になります。
英設計では、シロアリ対策の効果も考慮して、
基礎断熱ではなく、床断熱工法を推奨しています。
(基礎断熱・床下エアコンをご希望の方は、
工法の特性や、メリット・デメリットを共有させていただいて、
ご納得いただいての採用になります。)
このほかにも、
より、精度が高く、効果的な気密性能を実現するために、
気を付けるポイントなどもあります。
詳しく知りたい方は、ぜひ事務所でお話いたしましょう。
マニアックなご質問大歓迎です。