暮らしのコラム
窓の取付位置と大きさを意識されたことはありますか?
窓の取り付ける床からの高さや、大きさによって、
室内で感じる、部屋の広さの印象が変わります。
実際に室内の空間が広くなるわけではないので、
錯覚や、人間のパーソナルスペースを意識した設計の工夫です。
厳密には、個人の身長などによって誤差があるため、
あくまで一例になります。
そのままご活用するのではなく、
少しテクニックとデザインをまとめる必要があるので、
設計者と相談しながら詰めていくといいですね。
理由もなく、高さや取付位置を変えていくと、
全体のデザインが崩壊していきます。
写真の奥の窓は、座った時を意識した窓の高さになっています。
窓の外の景色が気持ちよく眺められるように、
低めに設定をしています。
テーブル近くまで窓の下が下がっていると、
座ったときに気持ちよく外が見えます。
こちらの写真も、窓の取付位置を少し下げて、
外の景色から、お隣さんの樹木の緑を気持ちよく切り取れるように、
サイズを調整して、とりつけたかさを下げています。
慎重が、180cmくらいある人は、どのような窓でも苦にはなりませんが、
160cm前後の身長の場合は、窓の取付位置が少し低い方が
室内で気持ちよく感じたり、外への開放感がうまれ、
室内を広く感じるような錯覚を覚えることがあります。
また、
西側の窓を小さくして、西日を遮る効果を狙いつつ、
田園風景と、山並みが半分ずつになるように、窓のサイズを調整して、
ホールから見える景色が、絵画のように見えるようにデザインすることもあります。
絵画のように見せる場合は、
少し低く取り付けるよりは、少し腰高よりも高めに取り付けるようにした方が、
絵画のように見えることもあります。
窓には、
「光を取り込む」、「風を取り込む」、「換気する」などといった役割があります。
それに加えて、
室内から、「どんなふうに見える景色をデザインするか」
ということも、窓に必要なデザインのテーマです。
少しコンパクト目な、子供部屋であれば、
少しだけ窓の取付位置を下げてあげる。
そんな工夫も、室内を広く豊かに過ごすための工夫になります。
コストダウンを考えようとすると、
通り一遍に、窓の高さを揃えて配置をして、
窓の大きさも小さめ。。。
なんてことも。。。
窓の取付高さが、そろっていないと、
大工さんが少し手間取ってしまうこともあるかもしれませんが、
少しのコストアップをしても、
その先に長く使う住まいから見える窓に、
ちょっとだけ、「楽しみ」がプラスされて、
「気持ちよく使える室内」になることは、大きな価値を見出せると思います。
断熱性能を高めようとすると、
極端に窓のサイズを小さくする設計手法を取る場合がありますが、
英設計では、できる限り、大きく大胆な窓も採用しつつ、
室内から気持ちよく使える窓のデザインにも意識を向けて設計しています。