暮らしのコラム
今回は、「よくある家づくりの悩み」について
『気密性能 C値』のお話です。
『C値』=「シーチ」と読みます。
専門的なお話になってしまいますが、とても大切なポイントなので
できるだけわかりやすくご説明したいと思います。
まずは、C値って何??
C値は、「延床面積当たりの隙間量」のことを示します。
(いきなり、訳がわかりませんね(笑))
(↑ 写真は、暖房時期を想定)
もう少し、かみ砕いてみましょう。
① 延べ床面積 = 生活空間としての室内の面積(床の広さ)
② 隙間量 = 外壁などから、外の冷気が入り込む隙間の量
(※「外壁など」 = 外壁、窓サッシ、コンセント、スイッチの隙間などを示します)
例えば、「C値=4.0」という住宅があったとします。
単純に計算すると、
となり、
分子が 隙間の大きさを示し、
分母が延べ床面積(生活空間の広さ)を示します。
(英設計では、 標準 C値=0.2程度)
つまり、
延床面積 100㎡(約30坪)に対して、
隙間量 400㎠の隙間が存在していることになります。
400㎠ は、家全体で細かな隙間をすべて集めた大きさを指します。
これを分かりやすく、一か所に集めたとすると、
約20㎝角の穴が外壁に開いていることになります。
小さく見積もると、バレーボールのボール程の大きさです。
ちょっと大きさにびっくりしますね。
では、
「C値 っていくつくらいがいいの?」
という疑問が出てきます。
ひと昔前までは、
C値が5.0を下回れば、気密住宅と呼ばれていました。
しかし最近では、
きちんと断熱性能を意識する建築士の間では、
C値の基準は、「2.0以下」が望ましいとされ、
理想的には、「1.0を下回ること」 と言われています。
C値に関しては、明確な規定がされてなく、
C値をどの程度にすべきかは、建築士(設計士)の設計に委ねられています。
英設計の住宅は、職人さんの『手仕事』によって、丹精に込めて作られます。
当社では、職人さんと協力し合いながら、極端なコストや手間をかけずに、
C値を小さくする設計を追求しています。
そして、必ず実際の住宅で、C値の測定(気密測定)を行い、
実測をすることで、設計監理の実績を確認するようにしています。
近い将来、
「C値はいくつくらいで設計されていますか?」というキーワードで
建築士(設計士)や建築会社を選ぶ日が来るかもしれません。
~終わりに~
C値を低くすることで、余分な隙間を減らすことができます。
暖めた室内の空気が、
逃げてしまったり、冷えてしまったりしないようにすることで、
暖房効率を高く維持することができます。
反対に、夏場は冷房の効率を高め、
冷やした空気を逃げにくくし、夏場の暑い外気が入りにくくすることにつながります。
それらは、冷暖房のランニングコストの節約につながり、
日々の光熱費を抑えることが可能になります。
電気代を節約することができれば、
地球温暖化防止やCO2の削減にも貢献でき、
私たち地球を大切にすることにつながり、
子供や孫たちも安心して暮らしていける
「地球という財産」を次の世代に継承していける気がします。
そんなことを思いながら、日々設計に精進していきたいと思います。