施工例
- 計 画
- 設 計
- 施 工
- 完 成
地鎮祭の準備に現地を確認。
2月の終わり。
空気が澄んで、遠くに山がよく見えます。
その中で、
地鎮祭の準備をしているとき。
「凍結深度」を実感しました。
「凍結深度」とは、
寒冷期に、地面の土などが 「凍り付いて」 しまう深さを示します。
簡単に言い直すと、
地表面からどのくらいの深さまで、凍り付いてしまうか?という深さ(深度)を示す指標になります。
この深さより浅い位置に、水道管などがあると、
当然水道管も凍結する可能性を帯びてきます。
ですので、
基礎の一部や、水道管などをこの深さよりも深い位置に設定する必要があります。
つまり、
2月の最終日。
地面に杭を建てようと思ったところ、地面が凍り付いている部分があり、
写真のように、地表面は乾いているけれど、地中に氷土のような部分が出てきます。
茅野市は、省エネエリアで3地域という寒冷地なので、
予想はしていましたが
こうなると、杭を建てるのも一仕事(笑)
当然、こうなります↓
下穴を、鉄杭を打ち込んで作ります。
(現場監理の天津君、頑張れ。)
地面が、凍る凍結深度。
このような形で、体感したのは初めてでした。
地表面から凍結が繰り返されると、
建物の基礎が持ち上がってしまいます。
そのため、基礎の根入れの深さをきちんと確保することが大切です。
これは、温暖な地域ではあまり考慮されていないことですが、
信州という寒いエリアではここもきちんと考えて設計することが重要です。
見えないところをしっかりと設計する。
ここを怠ると、建物にとって長持ちしない要因が一つ増えてしまいます。
コンクリートの費用がかさむから、、という理由でやらないわけにはいきません。
しっかりと、ここも抑える必要があります。
設計を完成する前に、「凍結深度がしっかり確保されているか?」
これも確認する必要があります。
地鎮祭を終えて、着工前には、
大工さんを交えて、プレカット打合せを行います。
構造模型を活用しながら、ディテールもを確認していきます。
現代では、工場加工の木材を利用することが多くなってきたので、
大工さんが現場で刻む手間は減りましたが、
逆に、工場でどのように加工されて現場に届くのかを確認しておく必要があります。
「それじゃ困る。」という大工さんの現場での作業のしやすさも考慮して
細部を決定していきます。
もちろん、そこには、
耐震性や断熱性をしっかりと確保できるように設計者側からもオーダーを出します。
机上の空論にならないように、
計画、設計したものがきちんと反映されるように決定していきます。
ここに、
職人さんの知恵や経験も加えてより良いものにブラッシュアップしていくのが
オープンシステムです。
地鎮祭を終えて、基礎工事が進んできます。
凍結深度を確保できるように、基礎の外周部分の深さをしっかりと掘り込んでいきます。
基礎の配筋の検査を行い、いよいよコンクリートが流し込まれます。
左側の人が、コンクリートを流し込んで、
右側の人が振動機(バイブレーター)で余分な空気を押し出して、
密度の高いコンクリートになるように施工している様子です。
見えない部分に空隙ができないようにしっかりと打ち込んでいきます。
基礎がおおむね完了すると、水道工事を進めていきます。
地面を掘って、排水用の配管と給水用の配管を埋めていきます。
地面に埋めていく工事なので、しっかりとした計画が必要です。
ここでも、凍結深度をしっかりと見極めて、
必要な深さに配管を埋めていきます。
(下水菅の中も凍るのです)
玄関廻りの土間断熱も完了。
上棟前に、今回は敷地の乗り入れ部分も新しく作るので、造成工事が行われます。
いよいよ上棟です。
早朝のお祓いを終えて、上棟を進めていきます。
お施主様にも、上棟の様子や進捗を説明していきます。
今回は、薪ストーブも採用しているので、
ここから屋根に煙突をつけて仕上げていきます。
軒下の空間もしっかりと確保しているので、
暑い太陽の陽ざしを遮りつつ、冬場の太陽の陽ざしを取り込んでいきます。
パッシブ設計の要素を埋め込んでいきます。
ここに、高断熱・高気密の住宅性のがあり、
薪ストーブでしっかりと温めていきます。
上棟が完了すると、現場ではスイッチとコンセントの確認打合せが行われます。
図面で検討していたものですが、
実際に建物に入って、その場に立ってみて最終的な決定をします。
「もう少し、高い位置にコンセントが欲しいなぁ。」
「ここは、無しにして、無効にした方が使いやすいね。」などなど。
現場でしか、わからないことってたくさんあるのです。
大工工事が進んでいく中で、外壁の板張りがあります。
外壁の板張りは、塗装屋さんもこだわりを見せてくれます。
大工さんが張る前に、板材同士のジョイント部分は先に塗ります。
これは、木が外部空間の中で、乾燥したり水分を含んだりしたりする中で
変化をしていく無垢材の特性があります。
その時に、塗装をしていない部分が内容に、事前にしっかりと塗装をしてから
大工さんに外壁に張り付けてもらいます。
このひと手間が大事。
内部では、断熱工事が完了すると気密測定を行います。
気密性能としては、C値は0.3で合格!
いい数字です。
しっかりと気密が取れています。
断熱性能が確保されている様子が分かります。
この時、屋根は40℃にもなっていました。
サーモカメラで厳しくチェックしていきます。
断熱材の施工が完了して、大工工事が加速していきます。
床材も準備万端に納品されています。
外壁部分は、塗り壁の下地になる部分を大工さんが施工完了。
外壁の塗り壁下地は、安価なものではパネルタイプのものもありますが、
完成後、早いものでは完成直後から外壁のジョイント部分が目立ち始めます。
やはり、外壁の塗り壁が耐久性高く長持ちする施工方法は、
木下地でしっかりと組む昔ながらの方法が一番の様です。
外壁を左官職人さんが仕上げていきます。
内部は、大工工事が終盤戦を迎えます。
今回は、ネコちゃんもいらっしゃるので、「キャットステップ」をデザイン。
内装も仕上がってくるとこのような感じに。
いい感じです。
足場も取れて外観が見えてきました。
現場では、
内装の塗り壁を採用しているので、
職人さんが、お施主様に塗り壁の仕上げの感じを確認していきます。
このように、直接職人さんと打合せしながら、実際に確認していくのは
オープンシステムの良いところ。
内装の仕上げも完了すると、いよいよ完成を迎えます。
計画通り、
夏の陽ざしをしっかりと遮ることができるパッシブ設計になりました。
9月の残暑が厳しい中でしたが、室内は涼しく過ごすことができました。
この時外気温が30℃くらい。
室内は、26℃くらいでした。
お施主様のご厚意により、完成見学会を開催させていただき、
いよいよお引渡しとなります。
こだわりの詰まった住まいのお引渡し。
この後、
お引渡しさせていただいてから、
外構の水栓のデザインをおねがいされ、ガウディ風の水栓を施工させていただきました。
ガウディ風トカゲのモチーフを自作。
左官屋さんとお施主さんと英設計でみんなでデザインさせていただきました。
タイルを割って、デザインしてつくりました。
■住宅性能
耐震等級3
断熱等級4(Ua値=0.4W/m2・K 北海道基準以上)
気密性能 C値=0.3(実測値)
■仕様
高性能樹脂サッシ(エクセルシャノン)
高断熱木製玄関ドア
外壁:ジョリパット仕上・杉板張り
屋根:ガルバリウム鋼板
床:無垢材フローリング(オイル仕上)カバ桜
壁:漆喰塗仕上げ
Nearly ZEH 達成
外観
土間のあるLDK
キャットステップのあるリビングと吹抜け
土間と薪ストーブで暮らす
水回りへのすっきり動線
水回りからキッチンへは一直線
トイレにエコカラット
和室と仏間
玄関収納スペース
たっぷりのクローゼット収納
外観
外観
軒下空間
外観 夜景
外観 夜景
タイル水栓英設計オリジナル
タイル外構 英設計ガウディ水受け
タイル水栓 外構水受け
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